第6話

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「じ、うさま」 服も脱いでいなかった慈雨様は、ソファに腰かけてこちらには一瞥もくれない。 ーー・・・終わっちゃった。 痛む体に鞭うって、下着とドレスを身に付ける。 部屋を出るときにも、慈雨様はこちらを見てくれない。 フラフラとした足取りで、部屋まで来ると。 急いでドレスを脱いで着替える。 手紙を残した方がいいだろう。 でも、便箋なんて持ってない。 使ってないノートでいいかな。 震える指で、言葉を綴る。 どうしようか。 なんて書けばいいのだろう。 早くしないと、時間がなくなる。
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