第6話

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パラパラ パラパラ 歩いているうちに降りだした雨は次第に強さを増していく。 パラパラ パラパラ 冷たいはずなのに、冷たくない。 息を切らしてついたお家。 門はあいてる。 勝手に家の中に入る。 「ぁ、アカネさんっいま、すか?」 「ルウヒ??こんな時間にどうしたの?」 奥から出てきたアカネさんは創作活動中だったみたいで。 絵の具だらけ。 こうやっているとお兄さんにしか見えない。 私を見ると、大きく目を見開く。 「ちょっとぉ!水浸しじゃない!!」 「あの、アカネさんっ 少し早いんですけど、雇ってくださいっ」 「ちょ、話なんかあとでいいから、シャワー浴びなさいっ」 誘導されるまま、バスルームに向かう。 「き……は?」 「え?」 「……あんた補聴器は?」 「要らないから、置いてきました」 「そう。着替えはあるの?」 「鞄の中にあります」 「ちゃんとあったまりなさい? いいわね?」 「はい」
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