第7話

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雨は好き。 服を濡らしていく雨。 優しく包み込むような雨。 慈しみの雨 雨は好き。 雨が降ると、あの人に包まれているようで。 あの人に抱かれているようで。 おうちの敷地にはいると、靴を脱ぐ。 ここに来てからの習慣。 雨が降ると。 「るーく、遊ぼ」 「ワンッ」 裸足で芝生の上を走り回る。 部屋が汚れてもアカネさんは気にしないから。 好きなだけ、雨を感じることができる。 ねぇ、慈雨にぃ 今は何してますか? 私は……貴方を想っています。 どうか幸せになりますように 好き 好き 遠くから想うことは自由だよね 「……ルウヒ」 「え?」 「ルウヒ!」 「っ、はい!」 え、アカネさん……筆持ってる。 ってことは。
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