第7話

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「ルウヒ、寒くないならそのまま遊んでなさぁい」 「はい」 きっと、アカネさんは気付いてる。 雨に紛れて、頬を伝う涙に。 慈雨にぃを想う心を。 だって…… 好きで 好きで 好きって気持ちが胸の内を占めて 息ができない。 私は、慈雨にぃに守られてきたから。 他の世界なんて知らない 知らないままでよかったから。 私の世界は、慈雨にぃだったから。 今は、世界がぽっかりと抜けてしまっている。 私の周りは真っ暗。 世界を照らす光も、差し出される手も。 なにもない。 いつか、誰かが救ってくれるのだろうか。 それとも、このままだろうか。 ーー・・・慈雨にぃを忘れることなんてできるのかな。
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