649人が本棚に入れています
本棚に追加
「ルウヒ、寒くないならそのまま遊んでなさぁい」
「はい」
きっと、アカネさんは気付いてる。
雨に紛れて、頬を伝う涙に。
慈雨にぃを想う心を。
だって……
好きで
好きで
好きって気持ちが胸の内を占めて
息ができない。
私は、慈雨にぃに守られてきたから。
他の世界なんて知らない
知らないままでよかったから。
私の世界は、慈雨にぃだったから。
今は、世界がぽっかりと抜けてしまっている。
私の周りは真っ暗。
世界を照らす光も、差し出される手も。
なにもない。
いつか、誰かが救ってくれるのだろうか。
それとも、このままだろうか。
ーー・・・慈雨にぃを忘れることなんてできるのかな。
最初のコメントを投稿しよう!