第7話

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びしょびしょになって、部屋にはいる。 「はい、タオル」 「あ、アカネさん、頭もげる、です」 「あんたの飼い主も早く来ないかしらねぇ」 わしゃわしゃと頭をタオルで拭われて、脳が揺れる気がする。 「アカネさん、何か言いました?」 「いーえー」 「っくしゅ、着替えてきます」 「はいはい」 「夜ご飯は何がいいですか?」 「そうねぇ……やっぱりオンナはお肉よね♪ 肉食でいなくちゃ♪」 「おにく?分かりました」 と、後ろでざざっと音がして。 見ればるーくがブルブルと体を振っていた。 ……お掃除しなくちゃ。 「るーく……」 「ワンッ」 疑うことを知らない澄んだ瞳で、くりくりっと見つめてくる。 グッと胸がつまって。 「……ね、るーく。 ずっとそばにいてくれる?」 るーくが一緒にいてくれたら、慈雨にぃがいない隙間を埋められるかな。 「ワンッ」 「……ふふ、約束ね」 タオルで拭いながら抱き締めた体はあったかくて。 なのに、あの人と違うって、また泣きそうになった。
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