第7話

6/22
前へ
/166ページ
次へ
ーーーーーーーー ーー・・・ オーブンから香ばしい香りが漂ってきて。 ミトンをつけるとそれを取り出す。 「できましたアカネさん」 「わぁお、美味しそうじゃない♪」 チョコレートのパウンドケーキ。 しっとりしてて、我ながら上出来。 「でも、お客様に私なんかのお菓子でいいんですか?」 「いいのよぉ! もう、泣いて喜ぶわよきっと!」 「??なら、いいですけど……」 「あ、ついでにルウヒ デッサンしたいから、そこに靴脱いで座って?」 「?? 珍しいですね」 デッサンか…… 何度かモデルやったけど、疲れるんだよな…… それにしても、急に言うなんてらしくない。 いつもは、準備万端でデッサンするのに。 言われた通り、裸足になって、ソファに上がる。 足を組んで体育座りをすると。 その隣にるーくが丸くなる。 「これで大丈夫ですか?」 「オッケーよぉ!」 チラリ 時計を見れば9時をさしていて。 ーー・・・卒業式、始まっちゃった。
/166ページ

最初のコメントを投稿しよう!

649人が本棚に入れています
本棚に追加