第7話

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「るう」 「るう、出てけって言われたもん」 絶対に言わないと約束した言葉を。 慈雨にぃは口にした。 幼い頃から、ずっとずっと その言葉があったから、るうはるうでいられたのに。 「るう、ごめんあの日ひどいことした。 痛かったよね? 伊達社長に脅されて、怖かったよね?」 痛かった 怖かった 慈雨にぃが何を怒っているのか分からなかった。 伊達社長にキスなんてされたくなかった。 触られたくなかった。 全部全部、慈雨にぃを守るために、頑張ったのに。 ……怖くて、痛かった。 「るう、僕のこと、まだ好きでいてくれてる? あんなひどいことしちゃったけど」 「っ、」 ……ひどい。 私の想いは、たった3ヶ月で変わるようなものじゃない。 痛くて、怖くて、それでも。 慈雨にぃが好き。 けれど、それを確認して何がしたいの? もうすぐ、ひめさんと結婚するくせに。 わざわざ、フリに来たの? そんなのいらない。 だからそっとしておいてほしいのに。
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