第7話

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慈雨にぃはおもむろにジャケットに手をいれると。 小さな箱を取り出す。 はぁっと一つ息をついたかと思うと。 まるで、射抜かれるかと思うほど。 強く、まっすぐ。 視線があわせられる。 そして、小さな箱を、私に向けて開く。 「波瀬 涙姫さん 僕と結婚してください」 「……え?」 言葉とともに差し出されたのは。 小さなダイヤが幾つも散りばめられた まるで夜空の星を閉じ込めたような 雨上がりの雫が光を浴びて輝くような 可愛くて、綺麗で ……そんな指環。 なんで、どうして? 意味が分からない。 それでも、いつの日か夢見たような光景に心はうち震える。
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