第7話

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「返事は?涙姫」 待って、待って 理解できない。 「だ、だって、ひめさんは? ずっとずーっと、ひめさんすきだった、でしょう?」 3年前から、ずっと。 慈雨にぃは私にひめさんを重ねていた。 似ても似つかないだろうに、それでも『ひめ』と呼んでいた。 どうして? 分からない。 涙で滲んで、慈雨にぃの表情も読み取ることができない。 「……」 「る、るう、ひめさんの代わりいやだったけど、 じうにぃが嬉しそうだから、頑張ったんです、」 幸せで、苦しくて。 麻薬のような時間。 溺れて、溺れて。 囚われてしまって。 身代わりだと知っても、囚われた心は慈雨にぃの手の内だった。 「ーー・・・話せば長いんだけど あのね?涙姫 いつも僕らが言ってた婚約者っていうのは君のことで。 当然君も分かってると思ってたんだ僕達」 「るう?」 知らない そんなの知らない 「うん、そう」 でも、この言葉が嘘ではないことも分かってる。 だって、慈雨にぃはるうに嘘をつかないから。 ーー・・・本当なら、真実なら。
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