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「ひゃぁ」
フワッと浮いた体
「掴まってて」
つい反射で首に腕を回す。
そうすると。
慈雨にぃの心音が伝わってきて。
ずっと、いつも、幼い頃から。
抱き締められて感じてきたこの鼓動に、
無条件の安心感を得る。
「涙姫」
思い出したように、ふとかけられる声。
"涙姫"なんて、慈雨にぃらしくない。
「な、ですか?」
「ーー・・・愛してる
ずっと、ずっと
君だけを愛してた
これから先も一生愛してる」
「っ、ふ、」
それは、ずっと望んでいた言葉で。
一生与えられることはないと思ってた。
夢みたい。
でも、夢じゃない。
慈雨にぃが迎えに来てくれて。
プロポーズしてくれて。
ーー・・・愛してると伝えてくれた。
好き。
好き。
伝えてもいいのか、この想いを。
ならば、早く伝えたい。
手紙じゃなくて、自分の声で、伝えたい。
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