第7話

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「ーー・・・ん?どうしたの涙姫?」 じっと見つめれば。 緩く頬を撫でられる。 ほぅっと息をつきそうになるほど、この手は優しくて。 だから、素朴な疑問が口をつく。 「な、んで、涙姫ですか?」 「……一応プロポーズするときはきちんとしようと思ってて。」 「るう、るうの方がいい。 慈雨にぃにるうって呼ばれた方がいい」 私は、慈雨にぃにるうって呼ばれる方が好き。 少し困ったように笑ったかと思うと、またアカネさんと内緒話を始める。 口を追っても小さすぎて読めない。 ……暇 「るーく、わしゃしゃ」 足にじゃれついてくるるーくと遊んでいると。 回された腕にグッと力がこもる。
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