第7話

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腕は気にせず、るーくと遊び続ける。 「るーくお手」 すると 「るうっ」 右耳に強い声が届く。 「??慈雨にぃ、どうしましたか?」 「……全部、話すね。」 強い言葉。 さっき、ずっと望んでいた言葉は貰えたけれど。 ……まだ、分からない。 ひめさんはどうなったのか。 いつから、好きでいてくれたの? 結婚って本当に? るうなんかでいいの? 「……はい」 「るうと僕はね、るうが生まれたときから許嫁なんだよ?」 「あっらー。」 「……嘘つかないでください。 わたしそんなことしらないもん」 慈雨にぃは苦笑いを浮かべて。 頬を伝う涙に触れる。 「信じて? 僕がるうのことを好きだって自覚したのはね、るうが14歳だったかな?」 「っ?!」 嘘だ。 嘘だ。 だって慈雨にぃ彼女さんいたもん。 私は……ずっと苦しかった。 「あ、でもそれよりも前から。 ずっとるうは僕の唯一のお姫様だったんだ で、まぁ……るうが大人になるまで待とうと思ってたんだけどね……」 はぁっと、小さく息をついて。 指を滑らせる。
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