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~回想-午前中~
「まずは…そぉやな~、小麦粉とライ麦粉、向こうの倉庫から運んでもらえるか?行けば、すぐ分かるさかい。」
親指で背中の向こうを示しながら、ヘキさんは告げる。
(なるほど、僕の仕事は食材運びか。)
モノは了解したと頷き、倉庫に向かおうとする。
(うん、初日にはちょうどいい仕事…)
そんなふうにモノが考えていたが、ヘキさんの声はまだ続く。
「…あと、卵と牛乳と砂糖をな、挨拶がてら問屋から引き取ってきてくれや。ほれ、地図はそこにあるから。」
今後は人差し指で机の上に置かれていたメモを示すヘキさん。
「あ、そや。かまど用の薪、少なくなってたんやった!それも頼むな~。
薪置き場は、そこのドア出て左や。」
よろしゅう。と、ヘキさんは言って笑った。
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