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そんな中を、モノはヘキさんについて行くので、いっぱいいっぱいだった。
一方、ソフィはと言えばこういうのには慣れてようで、そんなに苦労せずに人混みの間を縫うようにしている。
(やっぱ、いろいろ旅してたからかな?)
モノはソフィの慣れた姿を見てそう思った。
しかし、彼自身はこんなに賑やかなのには慣れていない。
「あの、ヘキさ~ん?お店って、ちょ、もう決めて、あ、すいません!…決めてるんですかぁ?」
周りの人の壁に圧倒されつつ、彼はやっとこさ訊いてみた。
すいすいと人の谷間を進みながら、ヘキさんは答える。
「ん~?もちろんや。わいの馴染みの店でな、安くてごっつ旨いとこやで。」
「ごっはん♪ごっはん♪」
ソフィは楽しそうに小唄なんか歌っていた。
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