77人が本棚に入れています
本棚に追加
/91ページ
ノレンをくぐると、店内は熱気と喧騒に溢れてた。
席は全部、板で仕切られた個室だ。
その個室には、話にしか聞いたことのないタタミが敷いてあり、足の短いテーブルが置いてあった。
個室の半分以上はもう人で埋まっていて、それぞれが自分たちの宴を楽しんでいる。
(すげぇ…。異国情緒ってやつか。)
店内には焼き物の壺があり、壁には掛け軸や絵画が飾られている。
(…あれ、売ったら高いかなぁ…。)
モノは店内の装飾品を見て、思わずそんなことを考えてしまった。
それほど珍しいものが沢山あった。
彼がサムライ・メイルの模造品を眺めていると。
「いらっしゃいまし。」
いきなり、女性に話しかけられた。
最初のコメントを投稿しよう!