酒場 千鳥足

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ノレンをくぐると、店内は熱気と喧騒に溢れてた。 席は全部、板で仕切られた個室だ。 その個室には、話にしか聞いたことのないタタミが敷いてあり、足の短いテーブルが置いてあった。 個室の半分以上はもう人で埋まっていて、それぞれが自分たちの宴を楽しんでいる。 (すげぇ…。異国情緒ってやつか。) 店内には焼き物の壺があり、壁には掛け軸や絵画が飾られている。 (…あれ、売ったら高いかなぁ…。) モノは店内の装飾品を見て、思わずそんなことを考えてしまった。 それほど珍しいものが沢山あった。 彼がサムライ・メイルの模造品を眺めていると。 「いらっしゃいまし。」 いきなり、女性に話しかけられた。
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