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「ウ…ギっ!?」
完全に想定外だったらしく、恐竜人間はモロ顔面を地面に強打。うあ、痛そう…!
「弱っ!おい、恐竜頭!大人しくボクらについてくるなら命だけは助けてあげるけど?どーしますかー?返答プリーズ?」
「ガハっ…ギ…っ!き、貴様、ゲはっ…!“守護者”ダな?人間ガぁ…調子ニ……ギハァ!?」
「交渉決裂ってことで、死ね!」
恐竜頭さんが喋っている途中で、豪快に顔面をぶん殴るフシギさん。ああ、ほら!恐竜頭さんが地面にめり込んでるよ!
「おい、フシギ!ストップ!もういいだろ。コイツもう意識ないし。とりあえず、知能高そうだから種族系っぽいから捕獲してメルやんに任せよう」
フシギが恐竜頭を無造作に地面から引きずり出す。泡を吹いている様子を確認して、俺はスマホを取り出す。
「もしもし、メルやん?何か頭が恐竜の化け物を確保したから。ディノニュート?いや、よくわかんないけど
通話を終わらせて暫くすると、小さな生き物が忽然と現れる。体長よりも大きな袋をズルっと引き摺っている。俺達はこれを、コロボックルと呼んでいるが、本当のところ何なのかはわからない。
『コレ、デシカ?』
「ああ、頼む」
妙に高い声。サッカーボール程の大きさの丸い体に、直接目と口が付いたようなコミカルな容姿のソイツは、めり込んでいる恐竜頭に近づくと、持っていた袋の口を向ける。
すると、袋がまるで生きているかのように恐竜頭を飲み込み、すぐにまた何の変哲もない袋に戻った。
『バイバイ、デシ』
役目を終えたコロボックルは登場と同様に、忽然と消えていった。
「さー、帰ろう帰ろう!
「いや、俺は後で行くわ。先行ってて」
回収が終わった後、俺は倒れている不良たちに向かいながら言う。
「いいよ。待ってるし。すぐ終わるでしょー?つか終わらせるのキボンヌ!」
既に光が消えているフシギは能天気にクルクル回りながら待つ。じっとして待ってくれることをキボンヌ。
「さて、そんじゃーやりますか」
そう言って俺は倒れている一人の不良の頭に手をかざした。
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