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廃工場から帰って数時間、俺は家に帰り自室で寛ぎタイムに突入。最近購入した小説を座椅子に座りながら読みふける。ふむ、表紙とあらすじだけで衝動買いした割りには中々に面白いではないか…流石俺。
そんな時、スマホが音を鳴らして、俺に着信が来たことを知らせる。
「お、フカワ君じゃーないの」
確認すると、そこには漢字表記でフルネーム。うむ、フカワ君は漢字で見ると多少ゴツイ印象を覚えるな。実物は草食動物だけど。さて、内容は……自然研究同好会の件か。
俺とフカワ君のインドアコンビで設立した自然研究同好会。通称“シケン会”と言う。ま、会員は俺とフカワ君とあと二人しかいないし、活動内容も地味極まりないので部活として認められてないのよね。逆に気楽でいいけど。
「なになに?次回の活動は裏山で季節の花を採取。押し花作りか。いいね!」
そう、研究と銘打ってあるが、内容はこんな感じである。誰だ!女子みてーっつたのは!いいだろ!押し花!
ともかく、今日も命が無事で、日常の中でも平和で、ほっと一息ってとこかな。
「ふぅー、いー感じ…」
更にページを捲ろうとした瞬間、俺のスマホが再度鳴る。ドナドナ……よし、シカトしよう。
『無駄無駄無ぁ!』
例の如く、勝手に通話状態になったスマホ。数秒後に、俺の部屋のドアが開かれた。もうホラーだろこれ。
★
周囲は無限に広がる広大な宇宙空間。
今俺の立っている場所は円形の土台の上。ちなみにメチャクチャ広い。
「いらっしゃーいニョ!急に呼び出してゴメンニョ」
そんな空間に、能天気な声が響いた。
声の方向に目を向けると、一匹の生き物。
目の前のそれは兎やら猫やら色々な動物の可愛いとこをツギハギしたような、そんな生物。一見するとぬいぐるみのような姿でフカフカした感じだ。うん、この説明で足りるよね?
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