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「どうも。守護者の皆様。お初お目にかかります。私はイグアノドン藤岡と申します」
ちょ、まて。
「イグアノドン藤岡て…ブハっ、ワロス!」
同感だが、フシギ!もっと小さな声で言って!
「我々ディノニュートは、いわゆる恐竜人間。己の恐竜としての名を持っているのです。もちろん、普段は名乗りません」
「ディノニュートってのは?」
俺の質問に対して応えたのは、メルやん。
「だから恐竜人間って言ってるニョ!話を聞けよハゲ!平たく言うと恐竜の力を持った人間だニョ。古代種だニョ」
はい、そうですか。つか今ハゲって言った?
「実は、本日捕えられたディノニュート…ラプトル山内は我ら同族の中でも過激派でして、肉食系の衝動を抑えきれずに今までも暴行などを人知れず行っていたようで、仲間内でも警戒していたのですが…奴は現在我々で拘束しております」
ラプトル山内て…そんなコメディ感溢れる外見じゃなかったけど…
「ラプトル山内て…芸名かよバロス!」
だからフシギちゃん!もっと小さい声で!
「しかし、問題は奴の上にいる存在です。この度山内が本格的に人を襲ったのは肉食系の代表が指示を出したからです。今までは我々草食系との話し合いで何とか平穏が保たれていたのですが…肉食系の代表が変わってから、急激に食人衝動を推進するようになったのです」
「確か肉食系の代表はカルノタウラス鏑木だったニョ?」
くそ、シリアスな話をしながら所々違和感がある!しかし、もうツッコまねぇぞ。
「はい。しかし、現在は肉食系の中でも過激派の…あの、ティラノ田中が代表になってしまったのです!」
「あの田中が…これは確かに厄介ニョ」
よりにもよってここで田中かよ!ティラノと田中がよりにもよってくっ付いちゃったかよ!ツッコまねぇとか無理だよ!
「前置き長い。早く本題」
その時、俺の斜め上あたりに浮遊している椅子の主…№92から鋭い一言があり、それを受けて藤岡は少し深呼吸し、こう言った。
「明日、肉食系のディノニュートたちが狩りを始めます。人間狩りです」
…おいおい、いきなりだな。それってヤバくねぇか?
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