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気を取り直して、改めて眼の前の襲撃者を睨む俺。
「おい…」
「おい…デュエルしろよ」
俺が文句を言う前に、決闘を挑まれた。やだ、この子会話成立しない…!
「ボクのターン。ドロー!」
ちょ、始まったよ!メインフェイズ?
「ボクは、ボクでハカセにダイレクトアタック!」
「ひょう!?」
綺麗な右ストレートが綺麗に俺の鳩尾に入る前に、身を仰け反らせて回避する!あぶねぇ!
「ターンエンド!」
「お待ちなさい」
OK。落ち着こう。笑顔を作ろう。俺クール……よし。
「もう一度言わせて、フシギお前なにすんねんコラボケぇアぁぁん?」
「ハカセ、表情と言動のギャップがひどいよ!情緒不安定のレベルだよ?」
「朝から漫才御苦労さま。フカワ…先輩」
俺とフカワ君のやり取りをどこか冷えた眼で見ながら、挨拶をする少女。
好奇心を宿した黒い瞳はくりっと大きく、色素が薄く少し茶髪っぽいセミロングヘアはフワっと揺れている。うん、一見さんなら間違いなく可愛いと騙されるだろう。
俺の幼馴染、フシギだ。
あ、ちなみにあだ名ね。ま、ほぼ本名に近いけどね。
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