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中学…確か3年だったよな。俺よりも一つ年下のコイツは昔からぶっ飛んだ性格をしていたが、ここ最近は特にぶっ飛んだ。もはや、人知を超えた域にだ。
「朝からなんだよ…ほんと。何の用……」
俺はため息を吐きながら、フシギに問うが、既にフシギはフカワ君の元へ。ちょ、放置してくれてんじゃないよ!
「あ、おはようフシギちゃん」
少し顔を引きつらせながらも挨拶をするフカワ君に対して、フシギは笑顔でこう返した。
「フカワ先輩。先に行っていいですよ。ボク、ハカセと話したいことがあるので」
笑顔だが、有無を言わせない圧力。ちょ、フシギちゃん?
「あ、でも時間は大丈夫かな?何だったら一緒に歩きながら」
「二人で話したいので」
もうお気づきですよね?フカワ君とフシギの関係。はい、俺も最近気が付いたのですが、何だが相性が悪いみたい。一方的にフシギの方が。
「おい、フシギ。お前…!」
「ハカセ、“例の話し”だよ?」
こいつ、俺の文句をことごとく先に叩き潰してくな…ちょっちショックよお兄さん。
「……ごめんフカワ君。ここは、俺に任せて先に行け!」
「ちょ、ハカセそれ死亡フラグだよ!?」
流石はフカワ君、ツッコミスキル高いな。
ナニハトモアレ、フカワ君には悪かったが、先に行ってもらったので、俺は改めてフシギに向き直る。
「朝からイチャイチャ乙でーす」
何か…不機嫌?笑顔だけど…幼馴染だから何となくわかる。でも、なに?今日は特に不機嫌じゃマイカ?
「随分強引に引き止めたけど、“例の話し”なんだよね?昨日のことか?」
その後、俺とフシギは話をした。
例の話し……人知を超えた、世界に関わる話しについて。
あ、もちろん遅刻したよ俺は。え?フシギ?あいつの中学は始まるのが俺の高校より30分遅いんだよ。俺乙。
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