魔導装女、参上!

7/10
前へ
/45ページ
次へ
フシギの指さす方向をみると、そこにいたのは怪物。ま、一言で表すとそんなとこだ。 その容姿は体長3m程の犬のような姿。あくまでも『ような』と言ったのは、両前足から生える巨大な2本の角と真っ赤な体毛、そして眼も3つだ。 そいつは3つの眼で私達をギロリと睨みつけると、猛然と突進してきた! 「来たぞ、フシギ!」 「ちょ、ハカセ慌てすぎ、テラワロス!」 「いいから早くしろ!」 怪物は既に間近だ。こえー! 「わかったお!そんじゃ、いっくおー!」 そう言うとフシギは素早く俺の眼前に位置取る。 その手にはオレンジ色の携帯ゲーム機、MSPが握られている。うん、携帯ゲーム機で、すごく人気のあるポピュラーなものだ。 画面に浮かぶ、“Ready?”の文字。 「解放っ…だお!」 瞬間、眩い光がフシギの体を包み込む。 「低級霊が憑依したっぽいね?んじゃ、とりあえず先手必勝!撃滅殲滅!」 元々は野良犬か何かか? 俺がそんなことを考えているうちに、容姿に似合わぬ物騒な言葉と共に、光に怯んだ怪物犬に向かって蹴りを繰り出すフシギ。 その動きは常人を遥かに超え、もちろん蹴りの威力も段違いだ。 撃音と共に熊もどきの頭部に叩き込まれた飛び回し蹴り。 「ゴガアァ!」 苦悶の声と共に吹っ飛ぶ怪物犬。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加