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その様子を見ながら、一言。
「いつも思うけど、ガチの格闘戦なんだね…やっぱ」
「とどめだお!
山吹色に輝く粒子が右拳に集まり、光を放つ。
更に、一足で怪物犬との間合いを詰めて、その拳を腹部に叩き込んだ。
瞬間、光が爆ぜ、怪物犬は消滅した。
はぁ、今回も無事に終わった。俺は崩れ落ちていく怪物の残骸から一匹の犬が現れ、一瞬呆けたように首をかしげた跡、どこかに走り去っていった。
★
「は?化け物騒ぎ?」
俺こと、ハカセは現在絶賛登校中。向かうは我らが高校。
「うん。何でもこの辺の町だけじゃなくて、色々な所で目撃されているらしいよ?」
俺の隣では、フカワ君が神妙な顔つきで話している。
いやー、メチャクチャ思い当たることがあります。
「へー、非科学的な話だねぇ。化け物なんて」
とりあえずそう言っておく。いや、そう言うしかないじゃない?
その話はそこで終わり。俺たちは昨日のテレビ番組の話や、ゲームの話に切り替えて、学校に着くまで穏やかな道のりを過ごした。
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