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「というわけで、結構噂になっているみたいなんですけど?」
放課後、俺はフシギにそう言った。
場所は高校の屋上。何故中学生のフシギがいるかって?うちの学校はエスカレーター式で、初等部、中等部校舎が隣接してんのよ。フシギは同じ学校の中等部ってこと。
「仕方ないってー、だって最近は怪物の出現率が妙に高いんだもん!ぷんぷんだお!」
そう言いながら何故かその場でクルクル回るフシギ。回るなウゼェ。
「大体な…」
俺がそう言った瞬間、フシギの携帯ゲーム機が光った。
「…最悪だ」
「また出たみたいだねー!ちゅーわけで、レッツラゴー!」
昨日の今日で、またあの怪物が出たのだ。
何故わかるかって?携帯ゲーム機が光ったからだよ!そんくらいわかるだろ!話の流れで!!
「そんじゃ、いくお!」
「え、ちょ!おま」
言うが速いか、光を纏ったフシギは俺の首根っこを掴んで屋上から飛び出した。
★
着いた場所は廃工場。
そこには、化け物がいた。昨日の怪物犬とは違い、俺達とさして変わらない大きさと外見だったが、決定的に上半身が違う。うん、どう見ても恐竜だ。ほんとうにありがとうございます。
そして、恐竜人間の前には倒れ伏している数人の男達。どうみても不良だな。こわい……とか言ってる場合じゃねーな。
「ナンダ?貴様ラは…マア、イイ。チョウド腹が、減ってイたンダ…コイツラダケじゃタリナソうでナ…
ぎこちなく喋る恐竜人間。どうやら追加の食料として認識されたらしい。もういや!
「お前の空腹なんか知らんわ!死ね!」
唐突にブチ切れたフシギが凄まじい速度で恐竜人間に跳躍し、そのまま豪快にかかと落としをお見舞いした!何だ?情緒不安定かおまえは?
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