二人のハルと恵みの雨

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バキバキに六つに割れた腹筋。 細くて華奢だとすら思っていた晴くんの身体は、実によく鍛えられていて明らかにスポーツマンの体型だった。 このような着痩せする細マッチョが多いスポーツに心当たりがある。 高校の時に付き合ってた彼がそうだった。 「晴くん、ボクシングでもやってたの?」 「僕、暴力は嫌いだよ。人を殴るなんてとんでもない!」 「じゃあマラソン?」 「んー、それも違う。どっちかと言うと苦手かな」 「でも、この身体…」 上半身裸になった彼の腹筋に手を当てて、スリスリと擦ってみると彼はスルリと私をかわして逃げた。 「あ、何よ」 「くすぐったいってば」 面白がって私は彼を追い、 彼はケラケラと笑いながら逃げる。
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