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1コール。
・・・2コール。
3コール目の途中で誰かが出た。
『もしもし。武内です。』
若い女。の子、だろうか。
女の声であることには間違い無い。
やはり、調べておいた家族構成によると、その家には高校生の娘がいるらしい。
俺より2つ歳下だ。
「もしもし。俺だよ。」
やばい。
声が震えている。
『修兄さん?どうしたの?』
娘は怪しがっているので焦った。
しかし彼女は「修兄さん」と言ったではないか。
よし。
上手くいっている。
「いや、その・・・」
『何?』
電話越しでもわかる澄んだ声。
これを騙すのにはかなり罪悪感がある。
しかし悪く思わないでくれ。
此が貧乏人のさだめなら、そっちには金持ちの運命がある。
「実は、人、はねっちやって・・・」
『えっ・・・!!』
「脳死状態にさせちまったんだ!!」
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