オレオレ詐欺

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俺はとんでもないことをしている。   まさか今時こんな詐欺に騙されるやつがいるのだろうか? いや、そんなことは関係ない。 俺は意気地無しだ。 それでいい。 もう、止めよう・・・!     しかし電話口の彼女は、更にとんでもないことを口にしたのだ。         「ようやくやってくれたのね?」         「・・・え」     「ありがとう・・・っ。嬉しい」     彼女の声は震えていた。   泣いているのだろう。     ありがとう・・・だと? 嬉しい・・・だと?   一体彼女は何を言っているんだ!?     俺は混乱していた。   殺してもらって泣くほど嬉しい奴がいるのだろうか? しかし彼女はそう言ったのだ。     ヤバイ。   何だかわからないがヤバイ・・・     俺は電話を切ろうとした。   しかし、誰かが俺にしがみついているように、俺の体は重く動かない。
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