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彼女は未だ震える声で言葉を繋いだ。
「これでぴったりな心臓が手に入るわ・・・
本当にありがとう、修兄さんっ!!」
・・・心臓?
「おじさまが仰ってたわよね?
堀内の心臓ならほとんど拒否反応がないって・・・
まだ息はあるのよね?
おじさまの病院に運んでもらえるよう、手配しなくちゃ!」
彼女の状況を理解しつつあった。
そんな俺を無視して、彼女はぺらぺら話続ける。
「早く場所を教えて!
死んでしまっては大変だか・・・」
プツ
そこで俺は電話を切った。
妙に辺りが静かに思えた。
1月後、ついに俺は田舎に帰った。
家族は温かく向かえてくれたが、逆にそれが痛かった。
更に数週間後、大きな企業のお嬢さん始め、数人の家族が逮捕されたという。
病気のお嬢さん自ら、臓器の裏取引をしていたらしい。
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