オレオレ詐欺

6/7
前へ
/7ページ
次へ
彼女は未だ震える声で言葉を繋いだ。   「これでぴったりな心臓が手に入るわ・・・ 本当にありがとう、修兄さんっ!!」     ・・・心臓?         「おじさまが仰ってたわよね? 堀内の心臓ならほとんど拒否反応がないって・・・ まだ息はあるのよね? おじさまの病院に運んでもらえるよう、手配しなくちゃ!」       彼女の状況を理解しつつあった。   そんな俺を無視して、彼女はぺらぺら話続ける。       「早く場所を教えて! 死んでしまっては大変だか・・・」     プツ     そこで俺は電話を切った。           妙に辺りが静かに思えた。         1月後、ついに俺は田舎に帰った。   家族は温かく向かえてくれたが、逆にそれが痛かった。       更に数週間後、大きな企業のお嬢さん始め、数人の家族が逮捕されたという。   病気のお嬢さん自ら、臓器の裏取引をしていたらしい。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加