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ここ十分で、数千の会話が記録されていた。それらはすぐに更新され先ほど見ていた記録でさえ既に言葉に埋もれていた。
遥はそれらを下にスクロールして一つ一つ確認していき、一つ。気になるチャットを見付けた。
確認範囲をその会話だけに絞り込む。
その会話を一つ一つ判断していく。
ケンタ
『君のアバター、可愛いね。こっちのアバターはどう思う?』
エリカ
『あ、ありがとうございます。あなたのですか? かっこいいと思いますよ』
ケンタ
『へぇー、嬉しいな』
ケンタ
『あ、そうだ。ちょっと二人でミニゲームでもやろうよ』
ここまでならいい。ちょっと仲良くなっているだけだ。
むしろ、バタフライで友人が出来る事はβテスターとしても喜ばしい事だ。
しかし問題は別にある。
今度は上へとスクロールさせ、最新のものを確認する。
ケンタ
『えー、良いじゃん。エリカちゃんと現実でも話したくなっちゃったんだよ』
しかし、これは看過出来ない。
エリカ
『それは……ちょっと……』
ケンタ
『残念だなー。じゃあさ、そっちの住所教えてよ。近かったら遊びに行くからさ』
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