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エリカ
『あの……バタフライ内でそんなことは違反になるのでは……』
ケンタ
『ん? ああ。管理人がそんな真面目に取り締まるかよ? それよりも……』
遥はそこまで確認してチャットログを閉じる。同時にミニゲームの会場の座標を素早く選択し、瞬間移動のプログラムを起動する。
遥の視界がぐにゃりと歪み、浮遊感が遥の体を包む。次の瞬きの瞬間には既にミニゲームの会場に着いていた。
着いて二人を見てみると、頭の上に『ケンタ』と書かれてあるアバターが『エリカ』と書かれたアバターを地面に押し倒していた。
「止めて! 止めて下さい! 誰か――」
「うるさいんだよ!」
そう言って拳を振り上げる男。
遥は男のすぐ後ろまで行くと振り上げられた男の拳を捻り上げる。
「痛てて! 誰だ! 人の邪魔――」
最後まで聞くことなく遥は男の頭を横殴りに蹴り飛ばした。
倒れたままの少女に遥は手を差し出し立たせてやる。
「あ、ありがとうございます!」
「礼はいい。これも仕事だ」
少女を守るように男との間に立つ。
「っだよ! お前は!」
「俺か? 俺は管理人だ。お前がご高説を垂れていたな」
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