プロローグ

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「……て……めぇ」 男は手を戦慄かせながら立ち上がる。 ……面倒くさい。 「おい、今回は見逃してやる」 「んだと!」 「とっとと失せろってんだよ!」 男は沈黙するがゆっくりと立ち上がる。 「……俺も舐められたもんだぜ」 男は警棒のような棒を取り出し近付いてくる。 「そんなプログラムはまだ開発されてないはずだが?」 男は笑みを浮かべ、 「俺はプログラムのお勉強してんだよ」 「違法プログラムか」 遥はちらりと、出口の方へと視線を向ける。出口は男を挟んで向こう側だ。 ……俺は行けるが後ろの少女は辿り着けないだろう。 やはりやるしかないのか。面倒くさい…… ……プログラム。バトルフィールド、アクティブ。 幾何学模様が浮かび上がり、ミニゲームの会場を埋め尽くす。 「はっ、こけおどしか? じゃあ――」 男は身構える。 ……だが、遅い。遅すぎる。 遥は脳内から背部のバタフライスラスターユニットに指示を飛ばし、羽を展開、高速移動する。 男の左前方へ移動し、男の左膝へ移動後のウェイトを最大限に活かした蹴りを放つ。
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