★紫☆

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「そうだな。お前は十六歳の葉月美希。俺の彼女は大学生…。どうやってこの時代にタイムスリップした?」 美希はプイッとそっぽを向いた。 「葉月、お前…二股してるのか?だから俺に嘘をついたのか」 「…二股?」 「そうだ、花菻高校の男子だ。付き合ってるらしいな」 「滝沢先生、タイムスリップとか二股とか、勘違いしてませんか?私、滝沢先生の彼女ではありません」 「ふーん」 俺は席を立ち、美希を後ろから抱き締める。 「…ひゃっ、やめて下さい。先生、セクハラだよ。大声出すよ」 「大声を出してもいいよ。俺は真実が知りたいんだ」 美希の耳から眼鏡を引き抜く。 「わ、わ、やめて!」 美希は両手で顔を隠した。 俺は美希を抱き締めていた手をほどく。 「俺もアホやな。子供の嘘に気付かへんなんて。おもろしろかったか?俺をからこうて、さぞおもろしろかったやろ」 「…ち…がう」 美希の目に涙が滲んだ。
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