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【美希Side】
『俺をからこうて、さぞおもろしろかったやろ』
アランの声は沈み、凄く寂しそうで…。
青い瞳は深海のように、暗く悲しい色をしていた。
違う…違う…
ちゃんと釈明したいのに、言葉は喉に張り付き出てこない。言葉の変わりに、涙が溢れた。
『からかってなんかいない』と否定すれば、私が美希だと認めたことになる。
けど…もうしらを切りとおすことなんて出来ない。
「俺は美希のことがめっちゃ好きやったんや。なのに…なんでや。他の男と手を繋いで、キスさせて…」
「…ちが…う」
私は泣きながら首を振る。
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