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「美希、俺は鈴蘭女学院の教師や。美希の担任や。もう終わりやな」
「ア…ラン」
標準語ではなく関西弁で話すアランに…本気で私と別れる気なんだと悟る。
――トントンとドアを叩く音がした。
「滝沢先生いますか?今日は学年集会があるので、至急講堂に集合して下さい」
「はい、わかりました。すぐに行きます」
アランはドアに視線を向けた。愛しい人の眼差しが、私から離れていく。
『もう終わりやな』
アランの言葉が鼓膜に何度も響く。
涙が溢れて止まらないよ。
どうしたらいいの?
どうしたら…。
「葉月は保健室で少し休みなさい。学年集会には出なくていいから」
アランはそう言い残すと、生徒指導室を出て行った。
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