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「あら大変。どうしたの?何があったのか知らないけど、いっぱい泣きなさい。そしたらスッキリするから」
松本先生は優しく背中を擦りながら、私を宥めてくれた。
「友達と喧嘩したの?それとも…」
「…失恋した」
「失恋?そっか…それは辛いね」
「私が嘘をついたの」
「好きな人に嘘?」
「年齢誤魔化した」
「やだ、私みたいね」
「…ぇっ?」
私は涙を拭い、松本先生を見る。
「他の生徒や先生には内緒だよ。実は私、年齢を少しだけ若く偽って彼と交際してたんだけど。バレたの」
「松本先生…彼と別れたの?」
「別れるつもりだった。でもお互い別れられなかった。本当に好きなら、年齢なんて障害にはならない。相手が誰なのかは聞かないけれど、ちゃんと話せばわかってくれるよ」
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