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「滝沢先生は正直ね。私は運命の出逢いってあると思うの。結婚相手や恋に堕ちる相手には、初対面で体にビビッて電流が流れるくらいのインスピレーションを感じる。体験談ですけどね」
「松本先生、のろけてます?」
「ふふっ、のろけてます。もう終業時間ですよ。滝沢先生お疲れ様でした」
「そうですね。長々とすみません。ドリンクご馳走様でした」
俺は空き瓶をゴミ箱に捨て保健室を出た。
『愛してるなら年齢関係ない』か、けど美希は俺の生徒だ。そんなに簡単には割り切れない。
――仕事を終え帰宅した俺は、部屋で美希が来るのを待つ。
このマンションに美希を呼ぶのもこれで最後だ。鈴蘭女学院の生徒や保護者に目撃されたら、美希は終わりだ。
俺はキッチンに立ち、美希の大好きなポテトグラタンを作る。
俺達の…最後の晩餐。
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