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「いや、いたはずなんだ。なのに見たら消えてるんだ。どこにも彼女はいない。どうやらタイムスリップしたらしい」
「タイムスリップ?」
葉月は怪訝そうな顔で俺を見つめた。
「あはは…滝沢先生、頭大丈夫ですか?そんなこと私に暴露して大丈夫なの?」
「いや、全然大丈夫じゃない。俺はどうやらイカれたみたいだ。大学一年生の彼女が、高校生の姿で俺の目の前にいるんだから」
葉月がゴクンと息をのむ。
明らかに動揺し、視線は右往左往し、体もソワソワと落ち着かない。
「お前は…誰なんだ?」
葉月は唇をキュッと結んだ。唇は微かに震えている。
「…葉月美希。滝沢先生は担任なんだから、私が誰かわかってるでしょう」
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