651人が本棚に入れています
本棚に追加
ーーーーーーーー
ーー・・・
「……え?」
「ですから、先方はデザインの打ち合わせには社長一人が自宅に来るようにと」
「……そう、いつ?」
「3月12日です」
「……分かった。」
秘書が出ていって。
そっと引き出しを開ける。
小さな箱。
るうのために作らせた指環がそこにある。
3月12日は、るうの卒業式だ。
予想では、家でパーティーして
僕の部屋に呼んで
かっこよくプロポーズするはずだったのに。
いまだに肝心の花嫁が見つからないんじゃどうしようもない
ーー・・・デザインだって、浮かばない
幸いストックがいっぱいあったからどうにか保っているけれど。
るうがこのまま見つからなかったら。
ーー・・・きっと潰れるだろうな、この会社。
最初のコメントを投稿しよう!