第7話

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家での食事はまるでお通夜だ。 例え表情が変わらなくても。 るうがいるだけであったかい。 そういう雰囲気を持った子だった。 失ってその大きさに気づくなんて。 本当にバカらしい。 「慈雨……」 「なんですか?」 「……いえ、いいわ」 「そうですか」 家のどこを見ても君の面影があるのに。 君の温もりは、 香りは、 声は この家にはない。 ーー・・・るう るう 愛してる。 君がいないとなんにも出来ないんだ。 お願いだから 戻ってきて ーー・・・もう何度願っただろう。
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