第7話

10/27
前へ
/184ページ
次へ
椅子に促され腰かける。 今も足元ではルーク?が喉仏ーー・・・要するに急所を狙ってる。 ーー・・・嫌われるようなことしたか? 「ごめんなさいねぇ。 今うちで、迷い鳥を保護してるのよぉ。 ルークってば大事にしすぎよねぇ」 「はぁ……」 目の前に出されたのは、紅茶とパウンドケーキ。 チョコレートにアーモンドが入っている。 ーー・・・るうのケーキ、食べたいな。 「どうぞ食べてぇ♪」 「……いただきます」 パクり 一口食べれば…… 「っ」 「あらやだ、泣くほど不味かった?」 「っ、いえ、すいません」 ……るうの味にそっくりだ。 ただそれだけ。 それだけで、泣くなんて。 馬鹿みたいだ。 逢いたい 逢いたい たった数ヵ月。 それだけなのに、なんで。 こんなに苦しくなる。 涙を拭うと、愛想笑いを浮かべて。 ーー・・・うまく取り繕えているだろうか。
/184ページ

最初のコメントを投稿しよう!

651人が本棚に入れています
本棚に追加