第1話

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あーあ、部屋に戻っちゃった。 ベッドにぼすっと横たわれば、ふわり。 るうの残り香が香る。 ……この匂い好きなんだよな。 瞼を閉じれば、先程までのるうの姿が思い起こされる。 白い裸体。 体の上を舞うキスマーク。 ふわふわの髪。 か細い声。 降りてきた感覚に、勢いそのままでベッドから起き上がる。 机に向かうと、スケッチブックにそれを描きおこす。 真っ白い天使。 はなびら。 愛しい気持ち。 あの子に似合うやつじゃなければ。 じゃないと僕が作る意味はない。
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