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でも、こうして記憶が戻ったのはきっと、君の時計を進める為。
こんな記憶を抱えてるのは楽じゃないかも知れないけれど、俺は俺で進んでいく。
成長したらその時は、俺も違う誰かを愛する日がちゃんと来る。
大丈夫。愛し方は君が教えてくれた。
だから俺との思い出を刻む時計は捨ててしまって。雪奈は雪奈の幸せになれる人生を、ちゃんと選んで刻んでいって。
俺もちゃんと歩んでいくから。
でも忘れないよ。
君への気持ちは胸の奥底にしまい込む。
これは俺の財産だから。これからを築く自分の大切なパーツ。
雪奈もそうして。
愛し合ったのは無駄じゃない。
きっと空を見る度に君の幸せを願う自分がいる。
道は違っても、この空は続いている。
愛しい君への最後のクリスマスプレゼント。
メリークリスマス雪奈、幸せになって。
――終――
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