魔法少女、出勤しました

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「……はぁー……疲れた……」  朦朧とする意識の中で歩みを進めた私は、思わずそう呟いていた。気が付けば、既に目的のお風呂場前だ。 「……うっわ、生臭っ……死んだ魚のプールに頭から突っ込んだ気分……」  臭い立つ衣服を緩慢に脱ぎ、その辺に捨て置く。一糸纏わぬ姿となった私は、直ぐに浴室の扉を開けて入室しかけたが、ふと思い止まって衣服を拾った。 「……お風呂入った後に、こんなの触りたくない……」  汚染物と化したお気に入りの外着を、傍にある洗濯機に纏めて叩き込む。臭いが取れるか、実際怪しいものだが……。 「……おっふろー……おっふろー……はぁ……」  沈む気持ちを無理矢理鼓舞しつつ、私は開け放たれた浴室の扉を潜った……。 「……くそぅ、ダニエルめ……この雪ちゃんに生臭い液体をぶっかけるなんて……」  風呂は心の洗濯、とはよく言ったものだ。こうして一人浴室で、吐き出した鬱憤を熱いお湯で洗い流す。そうして身も心もピカピカになり、浴室を出る頃にはすっかりスッキリ元通りという訳だ。 「ふんふんふーん」  鼻歌混じりに頭からシャワーを浴び、その湯を全身に滴らせる。徐々に靄がかかる室内で、私は身を清め始めた。 「皆爆発ですとろーい」  丁寧に髪を洗って、泡立てたスポンジを肌に這わせる。白い肌に白い泡が覆い被さり、何だかちょっとえっちぃ感じ。 「雪ちゃんおっぱいだいなまーい」  適当な作り歌を歌いながら、鏡の前で決めポーズ。うぅん、我ながら素晴らしいプロポーションだ。ぽいん、きゅー、ぷりんって感じ。欲情を禁じ得ないワガママボディだねっ☆ 「テントを張った、そこの君! 今なら五万で片付けちゃうぞ☆」  鏡に向かって華麗に指差しウインク。あざとい、流石雪ちゃんあざとい。 「五万で一発ぎゃらくしー、早く流そうあわあわー」  段々と調子が戻ってきた私は、尚も続きを歌いながらシャワーを浴びた……。 「……ふぃー、極楽ぅ☆」  このままスッキリ眠れるように、流れるような乙女のたしなみを済ませ、浴室を出た私はタオルを羽織る。くすぐったい様な柔らかさのタオルで水気を取り、そのまま部屋へと足を進めた。
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