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明らかに人とか食べそうな雪だるまの名前に戦慄していると、パタパタと緊張感の無い走り方で現れたのはお母さん。
「あぁ、やっぱりそのまま行こうとしてたのねー……風邪引いちゃうわよ」
そう言うとお母さんは、持ってきた防寒具を私達に身に付けさせた。上着、耳当て、マフラー、手袋……等々、何故にダニエルの分まであったのかは突っ込まないでおく。
「さぁ、これでスノーマンも怖くないわ。私も買い物行くから、一緒に出ましょう! ちょっと待っててねー……」
「「え!?」」
そう言って部屋に戻ったお母さん。発言に驚いた私達は、直接感応にて密談をする。
『や、ヤバイんじゃないのダニエル!? これじゃ、魔法少女に変身できないよ!?』
『それもそうだけど、デビル・スノーマンは人も食べるよ!!? 冬美さんが危ない!』
私達は頷き、ツッコミ覚悟で合体を開始した。強い光が、私達を包む!
『『合体感応開始(フュージョニック・リンク、スタート)! シンクロ率、80、90、100パーセント、オーバー!』』
粒子となったダニエルが私を包む。着こんだ服は粒子へと分解され、魔法少女の衣装へと再構築。一糸纏わぬ私の身体に、青と白のドレス、手袋、そしてブーツが張り付いていく。
『『汝は我、我は汝。氷上の女神、ここに顕現!』』
ペンギンの頭を模したティアラ、ペンギンの両翼を思わせる黒塗りの双剣が出現! それら全てが、自らの一部のように馴染む!
「合体変身! 魔氷(まひょう)少女、スノウクリスタ!」
『決まったね、ユッキー!』
「マジマジ!? 雪ちゃん、激カワ!?」
『輝いてるよ!』
「やたー! イケメンオタク、ゲットだぜ!」
昨日、カラオケのトイレで教えて貰った変身を完璧にこなした自分に思わず興奮。鏡で見たいね、自分の勇姿!
「お待たせー……って、まぁ! 雪ったら、とっても可愛いわー! やっぱり血は争えないわねー……お母さんのも見てー!」
「『あ、魔女だ……魔女ォ!?』」
部屋から出てきたお母さんを、思わず二度見。闇色のとんがり帽子にマント、先端に星の付いたステッキ。漫画から抜け出た魔女が、そこにいた……。
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