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『今、僕とユッキーは一つになっている訳だから、その感覚を信じて構わないよ。君が感じた事はつまり、僕が感じた事なんだ。慣れれば、もっと深い所まで感じる事が出来るよ。ユッキーは感度が良いし、僕との相性もバッチリだしね!』
「……なんかその言い方だとさ、私とダニエルが別の意味で合体しまくってるみたいだね」
『えっ……? あ、いや! そんなつもりじゃ無かったんだけども! ぼぼっ、僕らは清い関係ですよー!? ノーセックス、グッドパートナー!』
「まぁ、ちゃんと時給払って貰えれば、私はどうでも良いんだけど」
『良くないよ!? もうちょい身体労って上げて!?』
打てば響くダニエルとの会話で、平和な道中の暇を潰す。さっきから、人は愚かスノーマンすら現れない。魔法少女って、こう、もう少しイベントに富む職業ではなかったかな……?
『とか言って、実際あったら“面倒臭い”とか言うんでしょ?』
「おぅ、バレテーラ☆」
『やっぱり……』
きゅるんと可愛くぶりっこポーズ。可愛い、流石雪ちゃん可愛い。端から見たら、一人で喋る痛い子だけど。
『……ユッキー』
「ん、分かってる」
そんな私にイベント襲来。フラグなんて立てるんじゃなかった。
「……ざっくり数えて100以上、か」
私の脳内レーダーは、いつの間にか私を取り囲む存在を感知。その数は、今も急速に増え続けている。何故、気が付かなかった?
『恐らく、小型のデビル・スノーマン……単体戦力は低いけど、雪の中から無尽蔵に出てくるんだ。本体である“スノー・クイーン”を叩かないと……』
疑問に対し、直ぐにダニエルの補足が入る。成る程、いやに詳しいと思ったら……。
「戦ったのね、一度」
『……うん、以前のパートナーとね』
ダニエルの声に、陰りが走る。
『……ギリギリの所で、取り逃がした。以前のパートナーは、その時に……』
そしてその声に、静かな怒りの火が灯る。
『……スノー・クイーンだけは、絶対にこの手で倒さなければならないんだ!』
「OK、ダニエル。あんたの敵討ち、付き合ってあげる」
内で燃える熱い魂(ハート)に、私はとびっきりの笑顔を浮かべて応えた。
「臨時ボーナス出るならね」
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