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現れる小さな雪だるま……小型デビル・スノーマンの大群だ。視界を覆う白の中、浮き出てきたのは邪悪な口腔。今再び、私の前で魔界の門が開かれたのである……それも無数に。それらから一斉に飛び出すは、魔界の咆哮……!
GUGYAAAAAAAAAA!!!
『臨む所だ! 行くよ、ユッキー!』
「OK! 言質取ったよォ!?」
私達の決意に呼応する様に、四方八方より襲い来るスノーマン達。私は意識的に片方の剣を順手で、もう一方を逆手で構える。
「纏めてかき氷にしてやる!」
スノーマン達が剣の射程圏に入るのを見計らい、私はその場で回転する!
「食らえぇえええええ!」
高速回転で生み出されるは、刃の嵐! 黒刃の嵐が、迫るスノーマンを次々に肉片へと変えていく!
「オラオラオラオラオラオラァ!!!」
悲鳴を上げる間も与えず、残らずスノーマンを斬り散らした私は回転の勢いを止め、静かに残心……。これぞ“粉砕竜巻剣舞(ローリング・デストロイ)”!
「……ふぅ、急な思い付きにしては良い出来ね」
『良し、行こう! 第二陣が来る前に、本体の所まで!』
静かに頷いた私は、激しく跳躍。雪山と化した建造物を蹴り、この世界の女王の元へ急ぐ。
「距離にして後どれぐらい!?」
『直線にして約3km! もうすぐだ!』
ダニエルの言葉に目を凝らし、先を見据える。遥か先で吹雪が吹き荒れ、先が見えない場所があった。あそこか!
『ユッキー、上から来るよ!』
そんな私に、ダニエルの厳しい声が飛ぶ。瞬間、世界が“暗く”なった。
「言われなくてもォ!?」
近くの雪山を蹴り、上から迫る驚異の圏外へと逃げる私。視界が明るくなったと同時に、響き渡る轟音……!
「daaaaaaaai!」
雪山の一つを潰し壊して現れたのは、大型デビル・スノーマン!
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