魔法少女、始めました

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 もぉ、可奈子は煩いなぁ……まるで小姑みたいだ。将来絶対息子のお嫁さんいびるタイプだよこの子。 「誰が小姑か!? 勝手に人の将来決めつけんなよ!」  あっ、思わず言っちゃった。てへぺろ、なんつって。というか、可奈子怒りすぎ。テーブルバンバン叩くとか相当だね。こりゃ、あの日かな? あんまり刺激するのは止めておこう。ズズズッ、と通算何杯目か分からないイチゴミルクを飲み干して口を開いた。 「ちゃんと聞いてるよー? 曲はもう一杯イチゴミルク飲んでから入れるー」 「だからお腹壊すって」 「あぁ、大丈夫大丈夫……すいませぇん、イチゴミルクお願いしまぁす!」  制止に構わず迷わずTEL。電話越しの童貞っぽいバイトの男の子に声で誘惑マジ楽しい。全く、可奈子は馬鹿だなぁ。可愛い女の子はお腹とか壊したりしないのに。つまり、私はお腹なんて壊さないのさ! はーっはっはっはっ! ぐぎゅるるる……。 「いや、マジすいません可奈子さん……自分、調子乗ってました……美少女がお腹壊さないとか、ファンタジーでした……ううっ!?」 「喋ってる暇あったら早く行きなよ!?」 「……でも、まだイチゴミルクが……うっ、ヤバイ……何か生まれそ……」 「早く行けぇええ!!?」  激怒する可奈子に背中を押され、猛スピードでトイレに叩き込まれた私。後ろで乱暴に閉められた扉の音を聞きながら、涙ながらに文句を呟く。 「うー……可愛い顔して、あの子絶対S女王様だよ……お腹壊した美少女のお尻蹴るとか、まさに鬼畜の所業……」  と、そんな私にふざけるなと言わんばかりの強烈な腹痛。おおお、コレハマズイ……。 「すいません調子乗りました許してください……と、トイレェ……!」  自分で言うのも何だが、私は割と神経質なタイプだ。頑なにトイレを拒んだ理由も実はここ。何処の馬の骨が使ったとも分からないビッチ便器を、私は使いたくない。だって、鳥肌物じゃない? 雄臭い汚ギャルが乗ったかも、変態趣味の気持ち悪い男が舐め回してカメラ仕掛けたりしてるかもしれない様な便器! 「同族嫌悪とか思ったそこの君! 媚薬貞操帯コンボの刑だからね☆」  ふざける事で痛みを誤魔化し、幸いにも備え付けられた消毒液をペーパーに染み込ませ、これでもかと除菌。スカートとパンツを一気に下げた私は、ギリギリの所で便座に腰掛けた。咲き乱れる菊の花☆
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