魔法少女、出勤しました

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「ぐぁああああ!?」  その瞬間、宙を舞ったのは私ではなく……ベアパンチを繰り出したスノー・クイーンの拳! 『ありがとう、ユッキー……お陰で目が覚めた』 「ダニエル!」 『僕らは、二つで一つ。二心一体の魔法少女なんだ!』  あの瞬間、迫るベアパンチを片方の剣にて滑るように受け流し、もう片方の剣で切り飛ばした。そう……私とダニエルの心が感応し一つとなり、本来の力を発揮したのだ。力を合わせた私達には、怪力だけのベアパンチなど恐れるに足らず……! 「『ここからが本当の勝負だ! かかってこい、スノー・クイーン!!!』」  絶えず高まる闘志を込めて、再び刃の切っ先を向ける。するとスノー・クイーンは、狂ったように笑いだした。 「あはぁ、あは、あはははははははは! やっぱりあんた、男だよ! そうこなくっちゃねぇ!? あははははは! 前足切り飛ばされるとか、気持ち良すぎて妊娠しちまいそうだよぉお!?」  歪めた口元から狂気染みた台詞を吐き出すと、スノー・クイーンは足元に転がる氷付けの人間を次々に食い始めた! 「あいつ、人を!?」 『失った部位を再生させるつもりだ、ユッキー!』 「させるかぁ!!!」  直ぐ様跳躍して身体を水平に傾け、咆哮を上げながら双剣を横向きに構えて回転! “空中粉砕竜巻剣舞(エアリアル・デストロイ)”! 狙うはスノー・クイーンの首、ただ一つ! 「GUOAAAAAAAAA!!!」  スノー・クイーンの咆哮が、そのまま雹(ひょう)の嵐となりて私に襲い来る。風圧、そして拳大の雹……私の速度を落とさせるには十分な攻撃。しかし、こんなもので私達の怒りは止まらない! 「『いっけぇええ!!!』」  それら全てを弾き返した刃の嵐は、絶対氷壁をも削り壊してスノー・クイーンの首を捉える! 「GUOOOOOOOOO!?」  絶叫を上げるスノー・クイーン! 私達の力を合わせた一撃が、遂にスノー・クイーンの肉を切り裂いた!
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