49人が本棚に入れています
本棚に追加
/134ページ
「めっ、目が、目がぁあ!?」
「やはり身体目的か! このエロペンギン! 恥ずかしい排泄動画をネタにして、この雪ちゃんの身体を弄ぼうなんざ十年早いんだよぉお!? 大人になって出直してこい!」
私は苦しむペンギンの胸ぐらを掴み、構えた平手で嘴を往復ビンタ! こうかはばつぐんだ!
「イタタタタッ!? 嘴はやめっ、てか染みるぅ!? 失明しゃうよほぉお!?」
「ハァーハッハッ! 変態に掛ける情けなど無いわぁ! 死ねー☆」
そして私は、そのままエロペンギンを便器に突っ込もうとした所でノックの音が……。
「……雪ー、大丈夫ー?」
心配そうなその声は可奈子の物だ。多分、遅い私を心配して来てくれたのだろう。どれ、無事と変態発見でも伝えてやろうか。
「うーん、ごめん……まだお腹痛いからもう少し待ってて……」
しかし、私の口をついて出たのは思いと裏腹な言葉。え、どゆこと?
「……そっかぁ、じゃあ待ってるね……寂しいから……」
暗く悲しげな声を出した可奈子がトイレから出る様子は無く、言葉通り扉の前で待っているっぽい。え、いやちょっと、何か怖いんだけど……可奈子って、こんなキャラだったっけ?
『あ、危なかった……何とか割り込む事に成功した』
そして響くはペンギンの声。何やら頭に直接響いてるみたいで、何だかちょっと気持ち悪い。どゆこと?
『イキナリでごめん、君を守るにはこれしか無かったんだ……直接感応(ダイレクト・リンク)はかなり辛いかもしれないけど、許してね』
君を守る、直接感応、意味不明な単語に首を捻りつつ、エロペンギンに視線を向け直す。
『いや、そこまで辛くないけど……ていうか、どゆこと? 説明して欲しいんだけど』
『おぉ!? 凄い順応性! 大抵の“マジカルーキー”は、耐えきれなくて発狂して死ぬのに!』
いやいやいや、そんな危ないもん私に使うなや。そして訳わかんないし。質問にも答えないし。マジで便器ちゃんとキスさせようかなコイツ。
『わわわわわ!? 待って待って話聞いて!? 便器とキスとか一生物のトラウマになるからやめてー!?』
最初のコメントを投稿しよう!