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「いいこと、タツオ。瑠子さまは近衛四家の男子数十人をすべてご覧になっている。そのなかであなたに白羽の矢を立てたのよ。あなたなら璃子さまをお守りして、皇国の未来を託(たく)せると。うちの馬鹿兄貴なんて、ひと言もいただけなかったんだからね。それでも断るの?」  タツオは木漏れ日のなか、立ち尽くしていた。恥ずかしくて、その場にいたたまれない。 「男なら、男らしくしてみなさいよ。逆島中将のことばかり、いつまでもくよくよして。瑠子さまはあなたに日乃元一国をおまかせになったのよ」
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