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 この女生徒が天才としか思えないジョージに次いで、成績優秀なのか。タツオはまじまじと顔を赤くているマルミを見てしまった。いつかこの少女が日乃元皇軍の運命を左右するような作戦計画を立てるようになるかもしれない。  成績上位の7名は卒業後の進路を自由に選べるのだ。エリート中のエリート日乃元皇軍作戦部にすすむ可能性だってある。ごく普通の女生徒のように見えるが、タツオより遥(はる)かに優秀なのだろう。  マルミが顔の前で手をぶんぶんと振った。赤面すると茶色のそばかすが目立った。 「特待生なんて、とんでもないです。うちが貧乏だから、なんとか奨学金をもらわなくちゃいけなくて、それでがんばっただけなんです。わたしはほんとは頭なんて、ぜんぜんよくないのに」  ジョージがにこりと涼(すず)しげに笑っていった。
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